今回は9Vサスティナー搭載のエレキギター、フェルナンデスの『FR-85S』のリヤピックアップ交換の記録です。
サスティナー搭載のエレキギターの配線はちょっと特殊なので、私と同じようにピックアップを交換しようとお考えの方の参考になれば幸いです。
サスティナーについての詳細は、フェルナンデスの公式ホームページをご覧下さい。
回路図
公式ホームページに簡易の回路図的なものが掲載されています。
『FR-85S』はS-S-H構成なのでリヤピックアップの交換は赤で囲んだ配線部分を交換します。
ホット(+・白色)とコールド(-・黒色)の2本の交換だけでOKです。
BILL LAWRENCE L-500XL Zebra
今回、私が選んだピックアップはこちらです。
BILL LAWRENCE L-500XL Zebra
■リードモデル
■エスカッション(ブラック)付属
■抵抗値目安:11-12K
布袋さん同様『セイモアダンカン SH-4JB』をリバースで取り付けようかとも思ったんですが、ちょっと個性的な音にしようと思って『L-500XL』にしてみました。
やっぱりどうしても我らがギターヒーロー、ヌーノ・ベッテンコートの音が好きなんですよね~。
赤(ホット)、黒(コールド)、緑&白(タップ)、網線(アース)で緑&白は最初から結線されています。
今回はタップやフェイズの配線はしないので、このままの状態で絶縁処理だけして使用します。
念のためテスターで抵抗値と極性を確認しましたが、特に問題なしでした。
リヤピックアップ取り外し
コントロールキャビティの配線です。
「この配線、ないわぁ…」と思ってしまうただ単に接続しただけという残念な配線が正直たくさんありましたが、手直しし出したらキリがないので今回はチョイチョイと直せる部分以外は無視することにしました。
今回交換するのは青〇で囲んだコネクタに差さっている白と黒の配線です。
リヤピックアップを取り外します。
元々のピックアップ(おそらくVH-400)の下にサスティナーとフロント/センターピックアップの配線が通っていました。
とりあえずスポンジも取り外します。
『L-500XL』を仮設置してみますが、ここでまさかの事態が…。
おいおい…キャビティの深さが全然足りんやないかい…!
写真右側の『L-500XL』はピックアップの下部に全く隙間がない…。
取り付けるためにはもうキャビティのをザグるしかない…。
ボディの座ぐり
ザグリ用の工具なんてさすがに持ち合わせていないので、息子の彫刻刀で手でザグリました。
腱鞘炎になりかけた上に彫っても彫っても深さが足りず、そのまま彫り進めると写真の通り貫通してしまいました…。
一難去ってまた一難です…。
でもここまで来て引き返すことなんてできません。
もう思い切ってキャビティの底を全部取り除きました!
本当に必要になったら裏から板を貼ればいいんです!(多分…。)
ザグった跡をそのままにしておくのはちょっと…でも赤色の塗料なんて持ってないし、どうしようかと悩んだ挙句、昔購入した導電塗料を塗ることにしました。
(ノイズ対策、シールド効果は全く期待していません。今回は見た目の効果のみですので悪しからず。)
結果、こうなりました。
何やかんやで見た目は結構良い感じに仕上がりました!
本当に良かった…。
配線(結線)
理想を言うとコネクタを再作成したかったのですが、コネクタや端子を入手しにくかったので今回は半田で直接結線することにしました。
【青〇部分】
赤(ホット) ⇒ 白(+)に結線
黒(コールド)&網線(アース) ⇒ 黒(-)に結線
【緑〇部分】
緑&白(タップ) ※絶縁処理のみ
写真が分かりづらくてすみません。
まぁ、+同士と-同士を半田で結線したたけです。
ピックアップ取り付け
ピックアップはスプリング等を使用せず、ビスのみのダイレクトマウントで丁度良い感じになりました。
裏面のスプリングの奥には『L-500XL』の底面が見えていますが、もう気にしない…。
サウンド
「音が鳴らないかも…」とか「ノイズが酷いかも…」とかかなり心配しましたが、いざ音を出してみると拍子抜けするくらいちゃんとした音がなりました。
いや、というか『L-500』ほどのキンキンした高音の倍音はないですがパワフル、かつノイズレスで個人的にかなり好きな音になりました。
ちなみに基盤のトリマーの調整もなしでサスティナーも正常に機能しましたが、ひょっとしたらトリマーをいじるともっと違った音が出せるかも知れません。
外観
左:交換前 / 右:交換後
ゼブラカラーを選択したことによってカスタム感が出て、予想よりカッコよくなったと思います。
『Bill Lawrence U.S.A.』のロゴも良い味出してます。
まとめ
- コネクタが入手できない。
- キャビティの深さが足りない。
この二つの大問題に手を焼きましたが、終わってみれば音良し!見た目よし!で大満足でした。
本当に苦労した甲斐がありました。
!!ご注意下さい!!
フェルナンデス製サスティナー搭載ギターのリヤピックアップ交換は、+と-の2本の配線を交換するだけなので作業自体は普通のギターより簡単かも知れません。
ただしサスティナーとピックアップの相性が重要なようで、交換後の調整が難しく、この調整はスキルの高いショップでしかできないそうです。
本当に大事なギターをいじる場合は、信頼のおけるショップに依頼することをオススメします。
以上、今回は9Vサスティナー搭載のエレキギター、フェルナンデスの『FR-85S』のリヤピックアップ交換について書かせていただきました。
ではまた。
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